• こんなとき、こんな手続き

被扶養者

被扶養者とは

組合員の配偶者、子、父母などで、主として組合員の収入によって生計を維持している者は、組合員の被扶養者として組合員と同様に短期給付などを受けることができます。

被扶養者の範囲

被扶養者として認められる者

被扶養者として認められる者は、主として組合員の収入によって生計を維持していて、原則的に日本国内に住所を有している(日本国内に生活の基礎があると認められる)次の者です。

  • 配偶者(内縁関係を含みます。)
  • 子・孫
  • 兄弟・姉妹
  • 父母・祖父母
  • 上記以外の三親等内の親族
  • 組合員の内縁の配偶者の父母及び子(その配偶者の死亡後も同じ)

(⑤⑥については、組合員と同一世帯に属する者が該当します。)

  • (注)日本国内に住所を有しない者でも、海外留学をする学生や海外に赴任する組合員に同行する者などについては、例外として認められます。

被扶養者として認められない者

  • 共済組合の組合員、健康保険の被保険者又は船員保険の被保険者である者
  • その者について、組合員以外の者が地方公共団体又は国等から扶養手当を受けている場合におけるその者
  • その者について、組合員が他の者と共同して扶養しているときで、社会通念上、組合員が主たる扶養義務者でない場合におけるその者
  • 年額130万円以上の恒常的な収入のある者(公的年金等のうち障害を支給事由とする給付の受給要件に該当する程度の障害を有する者である場合又は60歳以上の者である場合には、年額180万円以上の恒常的な収入がある者)
  • 月収をもって収入を判断する方が、より実態に即していると考えられる場合(パート・アルバイトなどの給与所得を受ける場合等)は、月額108,334円以上(公的障害年金受給者等の場合は給与等と併せて150,000円以上)の収入がある人
  • 雇用保険法の失業給付や傷病手当金等(日額3,612円以上。60歳以上又は公的障害年金受給者等の場合は、日額5,000円以上)を受給する人
  • 一時的に生計を維持される人(総じて1か月以内に被扶養者の資格が無くなることが、認定当初から判明している人などをいいます。)
  • 後期高齢者医療制度の被保険者である者又は後期高齢者医療制度の被保険者である組合員の配偶者等

三親等内親族図

三親等内親族図
  • (注)(1)赤色の者は前頁の被扶養者として認められる者の①~④の該当者です。
  • (2)数字は親等を表します。なお、数字の○は血族を、( )は姻族を表しています。
~政府による「年収の壁・支援強化パッケージ」が実施されます~

組合員の配偶者等で一定の収入がない方(短時間労働者)は、被扶養者として保険料の負担が発生しません。こうした方の収入が増加し厚生年金及び健康保険、共済組合(以下、社会保険)に加入し保険料負担が生じるとその分手取り収入が減少します。こうした方が意識しているのが年収の壁で、106万円と130万円の2つがあります。年収の壁を意識することなく就業できるよう、政府の支援が行われます。

  • (1)社会保険適用促進手当(106万円の壁への対応)
    短時間労働者への社会保険適用を促進するため、労働者が社会保険に加入する場合などに、労働者の保険料負担を軽減することを目的として、給与・賞与などの報酬とは別に事業主が任意で支給する手当です。この手当は、社会保険適用に伴い新たに発生した本人負担分の保険料相当額を上限として、最大2年間、保険料算定の基礎となる標準報酬月額・標準賞与額の算定対象から除外することができます。また、この手当は資格要件の一つである報酬月額8万8千円の判定には含まれます。
    • 地方自治体は対象外となります。
  • (2)事業主の証明による被扶養者認定の円滑化(130万円の壁への対応)
    被扶養者の収入の条件は、年額130万円未満(60歳以上及び障害を有する方は180万円未満)ですが、短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりを支援するため、一時的に収入が増加し 、年収の見込みが 130万円以上となる場合においても、事業主証明が提出された場合は、引き続き被扶養者認定を受けることができます。
    • ただし、「一時的な事情」として認定を行うことから、同一の者について原則として連続2回までを上限とします。

組合員の扶養能力

組合員の扶養能力の判定方法は、原則として「本組合で定めた認定基準」を基本としますが、扶養能力については、被扶養者認定上の判断材料の一つとして捉えることとし、扶養能力のみにより判断しがたい事情がある場合には、当該世帯の家計の実態、社会通念等を総合的に勘案して判断します。

被扶養者認定上の収入について

被扶養者認定上の「収入基準額」(年額130万円あるいは180万円)とは、所得税法上の課税標準である収入を指すものではありません。
ここでいう収入とは、認定対象者の認定申告日以降、将来に向って恒常的(概ね3か月以上)に得ることが予測できる総収入(年間推計)をいいます。
したがって、その対象となる収入は、あらゆる収入の総体であり、給料、年金(公的及び私的)、雇用保険法の失業給付、利子収入、事業収入、配当収入、また非課税の障害年金、遺族年金、扶助料等、その他のすべての収入を合算し年間収入を推計します。
なお、退職所得・譲渡所得等のように一時的な収入は、恒常的収入に含まれませんが、これらの収入を運用することにより生ずる利子収入等は収入に含まれます。
具体的に、被扶養者の認定における収入のとらえ方及び収入とみなされるものは次のとおりです。

1「収入」のとらえ方

被扶養者の認定においては、扶養の事実が生じた日以降1年間に見込まれる収入を算定します。
したがって、所得税法上の収入のとらえ方とは異なり、暦年(1月1日から12月31日まで)ごとに収入を算定するわけではありません。

2「収入」とみなされるもの

被扶養者の認定において「収入」とみなされるもの、またその算定方法は次のとおりです。

(1)給与収入

所得税法上の給与所得控除等をする前の給与、賞与、賃金等の総収入をいい、各種手当(非課税の通勤手当を除く)も給与収入に含みます。
アルバイト、パート等で毎月の賃金収入がある場合は、年間収入推計額によらず月収額で判断します。
例えば、60歳未満の妻が雇用期間10か月、賃金月額11万円で雇用契約した場合、年間収入推計額は110万円となりますが、月額で収入基準額(130万円×1/12=108,334円)以上となるため、雇用されている間は、被扶養者として認定できません。
また、賞与が支給された場合はその月の収入とするのではなく、月々に振り分けて推計します。

(2)年金、恩給

退職共済年金(経過的職域加算額を含む)・老齢厚生年金・老齢基礎年金等の年金給付、障害(共済・厚生・基礎)年金・遺族(共済・厚生・基礎)年金・寡婦年金・扶助料等の非課税年金、厚生年金基金等の企業年金、農業者年金及び国民年金基金、個人年金等※を含む、すべての公的年金及び私的年金を収入としてみなします。
年金額は、所得税法上の公的年金等の控除額及び社会保険料等を控除する前の総支給額で判断します。

  • 個人年金については、必要経費を控除した額を収入としてみなします。

(3)事業収入

農業、サービス業、商業及び塾経営等の事業から生じる総収入から、その事業遂行のための必要経費※1を控除した後の額により年間収入を推計します。※2

  • ※1 ここでいう「必要経費」とは、所得税法上でいう経費のすべてを指すものではなく、社会通念上明らかに必要と認められる経費(例えば、生産活動に要する原材料等)に限られ、[表1]の経費が控除の対象となります。
    • 「事業」とは、「自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ、反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務(昭和56年最高裁判決)」とされています。このため、本来であれば自立しているものであり、認定の際においても必要経費として収入から控除される項目は限られます。
  • ※2 農業収入、営業収入等が経営委譲により組合員名義となった場合の取り扱いについては、その収入が単に名義人である組合員のものであるとは判断しません。その事業に実際に従事している人は誰であるかを判断の基準とし、収入はその人に帰属させます。
    例えば、組合員が両親から農業の経営委譲を受けた後も、実際に農耕に従事している人が、依然として両親であるような場合の農業収入は、従来どおり両親のものと判断します。
    また、農業の経営委譲後、組合員と両親が両方とも農耕に従事しているような場合は、その労働の割合に応じて、農業収入を組合員と両親とに按分します。
    按分する際には、組合員は地方公務員法第35条[職務に専念する義務]により、勤務日は農耕に従事できないと判断し、労働の割合を算出します。
この表は右にスクロールできます。
[表1] 事業等収入における必要経費認否
必要経費 業種
理美容業 飲食業 小売業 アパート
賃間業
農水産業※3 学習塾業 運送業 その他※4
売上原価(仕入れ等) ×
租税公課 × × × × × × × ×
荷造運賃 × × × × × ×
水道光熱費※1 ×
旅費交通費 × × × × × × × ×
有料道路交通費
ガソリン代
× × × × × × ×
通信費 × × × × × × × ×
広告宣伝費 × × × × × × × ×
接待交際費 × × × × × × × ×
損害保険料 × × × × × × × ×
修繕費
消耗品費
減価償却費 × × × × × × × ×
福利厚生費 × × × × × × × ×
給料賃金※2 × × × × × × × ×
利子割引料 × × × × × × × ×
地代家賃※1
貸倒金 × × × × × × × ×
研修費 × × × × × × × ×
雑費 × × × × × × × ×
青色申告控除額 × × × × × × × ×
  • 注1○は控除できる経費、×は控除できない経費です。
  • 注2事業等収入が減少したとしても、前々年等の収入を勘案し、その減少は一時的な現象に過ぎないと判断できる場合は、たとえ収入基準額未満であっても、被扶養者として認定できません。
  • ※1店舗・事務所等と住居の所在地が同じ場合は、店舗・事務所等部分に係る金額を証明する書類を追加提出していただくことがあります。
  • ※2認定対象者が事業を行い、給料賃金(専従者給与、雇人費を含む)を経費として支出している場合は、その者が他の者の雇用主である立場から、被扶養者としては不適切な場合もあるため、その雇用形態及び給料賃金の支払額等を確認の上、被扶養者認定の可否を決定します。
  • ※3農業は、種苗費・肥料費・農具費・農薬衛生費・諸材料費・動力光熱費・作業用衣料費も経費として、漁業は、燃料費・漁具代も経費として認めています。
  • ※4「その他」には、フリーランス・ギグワーカー(インターネットを介して、単発の仕事を請け負う労働者)等が対価として受ける収入、インターネット販売等による利益、株・債券等金融商品の取引による利益、利子・配当及び、これらに類すると共済組合が判断する収入を得ている人を含みます。

(4)不動産収入

土地及び家屋の賃貸等による総収入から、必要経費を控除した後の額により年間収入を推計します。

(5)株等の譲渡収入

株等の譲渡収入は、一時的な収入として取り扱うため、被扶養者の収入とはみなしません。
ただし、株等を保有することで得る配当収入や利子収入は、恒常的な収入として、被扶養者の収入に含みます。

  • 外国為替証拠金取引(FX)、先物取引、投資信託等の取引による一時的なものも収入とはみなしません。

(6)雇用保険法の失業給付等(基本手当・受講手当・高年齢雇用継続給付等・傷病手当・育児休業給付)及び労災保険の休業補償給付等

雇用保険法の失業給付は、他から生活費の援助がなくても自活できる額を保障するものであり、失業者は再就職を前提に受給するものです。
また、失業給付は、失業という一時的な状態に伴う保障であり、失業給付の総額だけで年間収入を推計することは適当ではなく、再就職をしたとしたら得られるであろう賃金収入も踏まえて、年間収入を推計します。
しかし、再就職後の賃金収入を予め把握することが難しいため、失業給付の総額ではなく、失業給付の日額から、年間収入を推計します。

この雇用保険の失業給付日額が、3,612円以上の場合は被扶養者として認定できません。
なお、失業給付を受給し、被扶養者の取り消しとなった配偶者が受給終了後、再就職することができず家事に専念するような場合は、届出により被扶養者として認定できます。

[事例]組合員の妻が40歳で依願退職し、失業給付を日額4,000円で90日間受給する場合

この場合、退職後、給付制限期間が満了する7月31日までは、被扶養者として認定できますが、受給開始後は失業給付日額が3,612円(収入基準額[年額130万円×1/360≒日額3,612円])以上となるため、8月1日から認定取り消しとなります。

(7)退職金・不動産の処分等による一時所得

退職金・不動産の処分等による収入は、税法上一時所得として取り扱われており、被扶養者の認定審査においても、被扶養者の収入とはみなしません。

(8)その他の収入

利子収入、配当収入、社会保険各法に基づく傷病手当金、司法修習生が貸与を受けられる修習資金(修習に専念するための生活費等として貸与される。)、ソーラーパネル設置による売電収入、インターネット販売等による利益収入等をいいます。

  • 出産手当金は収入に含みません。

夫婦共同扶養の場合の被扶養者の認定について

夫婦が共同して扶養している場合における被扶養者の認定については、次の事項を参考にして、その家計の実態、社会通念等を総合的に勘案して判断します。

なお、詳細な取扱いについては、「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」(令和3年4月30日付け保保発0430第2号・保国発0430第1号通知)に基づき判断します。

  1. 1. 夫婦双方が働いている場合は、男女の区別なく双方の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだものとする。以下同じ。)を確認します。
  2. 2. 認定対象者とすべき者の人数にかかわらず、年間収入の多い方の被扶養者とすることを原則とします。
  3. 3. 組合員より配偶者の方が年間収入が多く、夫婦双方の年間収入の差額が1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、主として生計を維持する者の被扶養者とします。この場合、「主として組合員の収入により生計を維持している」ことを申立書に記入してください。(認定については、それぞれの収入を証明する書類により、扶養能力などを審査します。)
    • 1割以内の収入差であれば、夫婦双方どちらでも扶養認定できるということではありません。
  4. 4. 組合員以外の者が扶養手当又はこれに相当する手当を受けている場合には、主として組合員の収入により生計を維持されていないため、被扶養者として認定できません。
  5. 5. 主として生計を維持する者が健康保険法(大正11年法律第70号)第43条の2に定める育児休業等を取得した場合、当該休業期間中は、被扶養者の地位安定の観点から特例的に被扶養者を異動しないこととしますが、新たに誕生した子については改めて夫婦間の収入を確認した上で認定可否を判断します。
  6. 6. 夫婦双方の年間収入を比較する場合で、組合員又は配偶者が育児休業の許可を受けた場合、当該許可を受けたことによる今後1年間の収入を見込んだものとします。これにより、配偶者よりも今後1年間の収入が少なくなる見込みである場合は、主として組合員の収入により生計を維持されないと判断するため、配偶者側の健康保険組合等で認定手続きをしてください。

配偶者を除く18歳以上60歳未満の人の認定について

配偶者を除く18歳以上60歳未満の人(学生、障害者、病気やケガにより稼働できない人は除かれます。以下「対象者」といいます。)は、通常、稼働能力があり、組合員の収入によることなく生計を維持することが可能であると判断しますので、一般的には被扶養者として認定できません。

しかし、「対象者」が就職を希望しているにもかかわらず、就職ができないなど、稼働できないやむを得ない事情がある場合は、「対象者」の収入状況だけではなく、次の要件を調査確認したうえで、被扶養者認定の可否を判定します。

  1. 1. 「対象者」が稼働できない具体的な事情
  2. 2. 組合員が「対象者」を扶養しなければならない理由
  3. 3. 組合員が「対象者」を経済的に扶養している事実

上記の調査確認の結果、被扶養者の認定要件を満たしている場合は、原則として1年間の有効期限付き認定とします。
この場合、1年後の有効期限到達時に上記と同様の調査を行い、引き続き被扶養者の認定要件を満たしている場合は、継続認定(原則1年ごとの有効期限延長)とします。

父母及び祖父母の認定について

原則として、被扶養者認定上の「収入基準額」は、年額130万円(または180万円 参考:年金受給者の扶養認定における収入基準額の早見表)ですが、父母の双方または、いずれか一方を認定する場合は、「夫婦相互扶助」の観点から、父母の年間収入の合算額が判断基準に追加されます。(下表2参照)

よって、認定対象者の年間収入が「収入基準額」未満であっても、父母の合算年間収入額が「合算収入基準額」※以上である場合は、父母間で生計維持できるものとして被扶養者に認定することはできません。

また、祖父母については、父母の扶養義務が優先されるため祖父母の年間収入の外、父母の年間収入や扶養能力、組合員が扶養しなければならない経緯・理由等を審査します。

  • 国の生活保護基準や人事院標準生計費などを参酌し、2人世帯の生活費は1人世帯の生活費の2倍を下回り、1人当たり約80%の生計費となると判断し、これを「合算収入基準額」とします。
[表2]父母を認定する場合の収入判断一覧表
区分 父母のいずれかの者
(A)の年間収入額①
Aの配偶者(B)の
年間収入額②
AとBの合算
年間収入額
(①+②)
判定
(A) (B)
父母ともに60歳未満(公的障害年金受給者を除く) 130万円未満 130万円未満 208万円未満
208万円以上 × ×
130万円未満 130万円以上 208万円未満 ×
208万円以上 × ×
130万円以上 130万円未満 208万円未満 ×
208万円以上 × ×
130万円以上 130万円以上 208万円以上 × ×
父母のいずれかが公的障害年金受給者又は60歳以上(上記年金受給者を右欄(B)とする) 130万円未満 180万円未満 248万円未満
248万円以上 × ×
130万円未満 180万円以上 248万円未満 ×
248万円以上 × ×
130万円以上 180万円未満 248万円未満 ×
248万円以上 × ×
130万円以上 180万円以上 248万円以上 × ×
父母ともに公的障害年金受給者又は60歳以上 180万円未満 180万円未満 288万円未満
288万円以上 × ×
180万円未満 180万円以上 288万円未満 ×
288万円以上 × ×
180万円以上 180万円未満 288万円未満 ×
288万円以上 × ×
180万円以上 180万円以上 288万円以上 × ×
  • 判定欄の○印は収入要件を満たすことを、×印は収入要件を満たさないことを示します。
[事例]

父(64歳)年金のみの収入で年額160万円
母(61歳)年金とパート収入で年額130万円
父+母=290万円

それぞれ「収入基準額」(180万円)未満の収入ですが、合算すると「合算収入基準額」(288万円)以上のため、父母ともに認定できません。

別居をしている人の認定について

認定対象者が別居の場合は、次に定める送金(仕送り)をしていなければ、原則として組合員が主たる生計維持者であるとは認められません。

なお、「同一敷地内の別棟で暮らしている。」、「同一市町村内に居住しているので手渡している。」などへの主張がなされても、その事実が客観的に証明できる証拠書類の提出がなければ、確認審査が不可能であるとし、被扶養者として認定できません。

1. 送金(仕送り)額

  1. 1. 別居の認定対象者が1人のときは、月額5万5千円以上かつその認定対象者の収入の2分の1以上の送金(仕送り)が必要です。
  2. 2. 別居の認定対象者が2人(この2人は同居)以上のときは、対象者の人数×5万円以上かつその認定対象者の合計収入の2分の1以上の送金(仕送り)が必要です。
  • 例1別居している母(1人暮らし)が認定対象者の場合の仕送り額
    収入 母 80万円  80万円÷2=40万円(認定対象者の収入の1/2)
    40万円÷12月=3万3,333円
    この場合、月額5万5千円以上の仕送りが必要です。
  • 例2別居の父母2人が認定対象者の場合の仕送り額
    収入 父 170万円 母 100万円 計 270万円÷2=135万円(認定対象者の合計収入の1/2)
    135万円÷12月=11万2,500円/月
    この場合、月額11万2,500円以上の仕送りが必要です。

2. 送金(仕送り)方法

扶養とは毎日の経済的生活を支援するものですから、通常1か月に1回以上の送金(仕送り)が必要※です。
送金(仕送り)の事実を客観的に証明するため、次のいずれかの書類を提出してください。

送金(仕送り)額の確認書類

毎日の経済的生活の支援状況を確認するため、申告時から過去半年以上のコピーを提出してください。

  • 認定対象者名義の通帳の写し(振込人として組合員の氏名が印字されていること
  • 組合員名義の通帳の写し(送金先として認定対象者の氏名が印字されていること
  • 銀行の振込用紙(領収書)、ATM等の振込領収書等の写し(各月分)
  • いわゆるインターネットバンキング専用銀行の場合は、web上の出入金等口座管理画面のハードコピー
  • 毎月の送金(仕送り)が難しい場合は、2か月分の金額をまとめて、2か月に1回以上の送金(仕送り)を、継続的であるとみなします。
  • 新たに送金(仕送り)が必要となる場合、初回分の送金(仕送り)が確認できる①~④の書類により審査します。その後、被扶養者調査により、継続的に送金(仕送り)されているか確認します。

被扶養者の届出

被扶養者の認定申告

被扶養者として認定されるためには、共済組合に所属所長を経由して「被扶養者申告書」を提出(5日以内)し、その認定を受けることが必要です。

なお、30日を過ぎて届出がなされたときは、その申告のあった日から被扶養者として認定することになっています。この場合にはその間に生じた病気などについての給付も行われないことになりますので、遅れないように被扶養者申告書を共済組合に提出してください。

1. 届出の義務

組合員は、次のいずれかに該当する事実が生じた場合は、被扶養者の届出が必要です。

  1. 1. 新たに組合員となった人に被扶養者の要件を備える人がある場合
  2. 2. 組合員に新たに被扶養者の要件を備える者が生じた場合
  • 例1子どもが生まれたとき
  • 例2被扶養者の退職や同居など、扶養の要件を備えたとき

2. 認定と届出の時期

新たに組合員となった人に被扶養者の要件を備える人がある場合には、その人が組合員となった日から、また組合員に、新たな被扶養者の要件を備える者が生じた場合には、その事実が生じた日からそれぞれ被扶養者として認定します。

ただし、組合員となった日、またはその「事実が生じた日」から30日以内に被扶養者の届出がされない場合には、その届出を受けた日から被扶養者として認定します。

事例1 扶養の事実が生じた日から30日以内に届出がされた場合
事例2 扶養の事実が生じた日から30日を過ぎて届出がされた場合

被扶養者の取消申告

組合員の被扶養者が、就職等により被扶養者資格を喪失したときは、速やかに組合員被扶養者証を添えて被扶養者申告書を共済組合に提出してください。資格喪失後、医療機関等で受診があった場合は、共済組合から返還請求(保険者負担等)を受けることになりますので十分注意してください。

  • 例1被扶養者が亡くなったとき
  • 例2被扶養者の就職や別居など、扶養の要件が無くなったとき
  • 届出は所属所の共済組合事務担当課を通じて共済組合へ提出していただくことになります。

被扶養者に関する調査について

共済組合では、すでに被扶養者となっている人を対象として、下記の調査事由ごとに被扶養者調査を実施しています。また、有効期限が設定されている被扶養者については、有効期限の到達月に調査を実施しています。
被扶養者の調査は、対象者が現在も引き続き被扶養者の要件を満たしているかを確認し、適正な被扶養者資格管理のため必要不可欠なものです。被扶養者資格の遡及取り消しを無くすためにも御協力をお願いします。
調査の実施時期は、年4回(3月・6月・9月・12月)で、調査事由により最も適すると共済組合が判断した月に設定しています。

なお、18歳以上(高校生を除く)で、下記の調査事由を設定していない人に対しても、2年ごとに被扶養者の資格調査(全員調査)を行います。

調査事由 主な対象者など
収入確認 営業・農業・不動産収入・パートなどで収入がある場合
年金受給開始予定 年金受給開始年齢に達する人
65歳年齢到達 65歳到達により、老齢基礎年金が発生する場合
年金改定
  • 年金額の改定等により、収入基準額以上になることが予想される人
  • 年金の満額支給開始年齢に達する人
組合員の配偶者の収入確認 組合員に配偶者があり、子(父母)を認定している場合
組合員の子の収入確認 孫を認定している場合
父母の収入確認 組合員より扶養義務が優先される、父母夫婦世帯合算収入を確認する場合
仕送り状況確認 別居中の人を認定している場合
障害状態等確認 障害を理由として認定されている人に収入がある場合
婚姻予定 婚姻を前提として認定されている場合
学校卒業予定
  • 短大、大学、大学院、専門学校を卒業予定の人
  • 海外留学終了予定の人
雇用保険受給予定 雇用保険法の失業給付を受給予定の人
18歳年齢到達 高校卒業予定年度末年齢に達する人
就労状況等の確認 配偶者を除く18歳以上60歳未満の人で、1年間の期限付き認定を受けている人
他の扶養義務者の収入確認 組合員の他に扶養義務者がいる場合
その他 確認が必要な事項を備えていると、共済組合が設定した人

認定に必要な証明書類―「被扶養者申告書」に次の書類を添付します

被扶養者の認定を受けるには、扶養の事実や扶養しなければならない理由を確認できる書類が必要です。
ケースにより提出書類が異なりますので、所属所の共済組合事務担当課までお問い合わせください。

扶養の事実関係について 被扶養者に関する申立書
親族関係の有無について 戸籍事項証明書(戸籍謄本・抄本)
同一住所の確認について 原則添付不要
続柄の確認について 住民票(世帯全員分) 戸籍謄本等
職業の有無、
収入について
給与収入のある人
(パート・アルバイト等)
給与支払証明書(雇用主証明)
年金収入のある人 最新の改定通知書(写)または年金支払通知書(写)
農業・営業収入のある人 確定申告書(写)
(諸経費のわかる収支内訳書(写)または青色申告決算書(写))
不動産収入のある人 確定申告書(写)
(諸経費のわかる収支内訳書(写)または青色申告決算書(写))
障害者などの場合 医師の診断書または身体障害者手帳(写)など
学生などの場合 在学証明書、有効期限がわかる学生証(写)または各種学校に関する証明(確認)書など
  • 配偶者を除く18歳以上60歳未満の人(学生、障害者、病気やケガにより稼働できない人は除かれます。)で無収入の場合
  • 収入が年金のみの場合
同意書
  • 同意書のかわりに、所得証明書を添付しても差しつかえありません。

国民年金第3号被保険者の資格取得・資格喪失

組合員(短期組合員を除く。)の被扶養配偶者として認定を受けた20歳以上60歳未満の人は、第3号被保険者の資格を取得するため、共済組合を経由して、日本年金機構に届出を行います。

また、第3号被保険者になっている被扶養配偶者が認定取消となった場合は、共済組合を経由して資格喪失の届出が必要な場合があります。

次表「個人番号を利用する場合の国民年金第3号被保険者に係る届出」を確認し、被扶養配偶者の認定又は取消の「被扶養者申告書」を所属所の共済組合事務担当課に提出する時に、必要に応じて「国民年金第3号被保険者関係届」等を提出してください。

国民年金第3号被保険者の住所変更

第3号被保険者の個人番号が日本年金機構に登録されている場合は、日本年金機構が定期的に住民票情報を取得するため、住所変更届の提出は不要です。(個人番号が登録できていない場合は届出が必要です。)

なお、住民票上の住所と異なる居所となる場合又は住民票と異なる居所から住民票上の住所に変える場合は、個人番号が登録済みであるかどうかにかかわらず、「国民年金第3号被保険者住所変更届」を提出してください。

個人番号を利用する場合の国民年金第3号被保険者に係る届出

  届出事由 所属所への提出書類
第3号資格取得 被扶養者に認定する場合 国民年金第3号被保険者関係届
第3号被保険者のマイナンバーカードの写し等※1
被扶養配偶者が20歳に到達した場合
第3号資格喪失 被扶養者から取り消す場合 (1)社会保険に加入したことにより取り消す場合 届出不要
(2)収入増加や離婚等により扶養取消となり、国民健康保険に加入する場合 国民年金第3号被保険者関係届
第3号被保険者のマイナンバーカードの写し等※1
(3)死亡により扶養取消となった場合 届出不要※2
(4)国外に居住している被扶養配偶者が扶養取消となった場合 国民年金第3号被保険者関係届
第3号被保険者のマイナンバーカードの写し等※1
組合員の資格喪失により取り消す場合 届出不要※3
変更・訂正 住所変更 (1)日本年金機構で個人番号を登録済の場合 届出不要
(2)日本年金機構で個人番号を未登録、住民票ではない居所の場合 国民年金第3号被保険者住所変更届
第3号被保険者のマイナンバーカードの写し等※1
生年月日訂正 届出不要※2
性別訂正 国民年金第3号被保険者関係届
第3号被保険者のマイナンバーカードの写し等※1
  • ※1マイナンバーカード以外の場合は、マイナンバーが確認できる書類(通知カード、個人番号の表示がある住民票の写し)と本人確認書類(運転免許証、パスポート、在留カード等)
  • ※2日本年金機構で個人番号が登録されていない場合は、届出が省略できません。
    (日本年金機構で個人番号を登録済みであるかどうかは本組合では把握できないため、年金事務所等で確認ください。)
  • ※3共済組合を通しての届出は不要ですが、資格喪失の翌日から改めて第1号被保険者(国民年金)、第2号被保険者(厚生年金)又は第3号被保険者(被扶養配偶者)のいずれかに該当することとなりますので、加入手続を行ってください。
    第1号被保険者になる場合は、本人が市区町村の国民年金担当課で手続きを行ってください。
    第2号被保険者及び第3号被保険者になる場合は、新たな勤務先の担当者にお問い合わせください。
  • 注)個人番号の代わりに基礎年金番号を記載して提出することもできますが、従前どおりの扱いとなりますので、組合員と被扶養配偶者の「基礎年金番号の分かるものの写し」を必ず添付してください。